各社スプールの軽量化に物凄い力を入れている。いかに軽くするか?小径化させてシャロー化、スプールの肉厚もギリギリまで削り軽量化をはかっている。きっとどうしたらもっと軽くできるかというのを考えているんだろう。昔は肉抜きががっつりされていたが最近も物は肉抜きされてないものも多い。かなり肉厚を薄くして肉抜きしなくても軽いものを作っているんだと感心する。この技術は今後も開発していってほしいところですね。しかし、それだけ努力して作られたスプールだが制御側が追い付いていない感じがする。DCやIMZなんかのデジタル制御ならスペックをフル活用できるが遠心では正直活用しきれてない。今回ナロー化された22バンタムを買って使ってみた。このナロー化によってPEにも対応できるのではないかと思ったがそこそこ投げれて飛距離もそこそこといった感じでピーキーな感じはまだまだ残っていた。そのピーキーさを解消すべく企業努力とは真反対のことを行う。それがスプール重量アップだ。今まではPE2号150m、PE2.5号150m、PE3号100mと太さを変えることで対応できないか試してきた。太さが太くなればなるほどマイルドになっていく事が分かった。だが完全には対応できない。そこで今回はPE2号100mに残りナイロンを巻いて重量を稼ぐという方法を行った。ギッチギチに巻いた場合PE2号が180m巻ける。その80mをナイロンに変えることで重量を増やす。これでPE100%の物と比べ1.1倍ほどライン重量が増える。早速この状態で投げていく。
ハートランドリベラリスト763mからスコーピオン1652にロッドを変更しキャスト。ロッドを変えたのは気分です。とりあえず簡単に飛距離が出て調整しやすいメタルバイブからチェック。内部は3個でMAXから投げていき一切浮かずに着水だけ止めればOKな位置を探す。2くらいでラインが一切浮かない状態になった。飛距離は60mちょっと。十分な飛距離です。これ以上緩めると中間から後半にかけてラインが膨らみます。そのまま着水まで放置すれば収束してくれますが風の影響やナイトでの使用を考えるとギリギリは狙えません。ナイトでも実釣で使えるレベルで調整します。
レスポンダー109Fの場合3で安定します。飛距離は50m。メーカースペック60mなのでだいぶいい線いっています。他のミノーも投げてみましたがこの設定で問題なく投げれますね。一部固定重心やファットなものは調整が必要になりますがサイレントアサシンやバーティスなんかは問題なし。重量に応じて飛距離が伸びていきます。
大きめのトップも内部いじらず投げれます。4.5~5の間で安定します。飛距離は50m前後です。飛行姿勢はかなりきれいですね。もっと飛ばそうと思えば飛ばせますがその辺にあった使い古しの2号なので冒険はできません。安パイで50m前後飛んでいればどうにかなるでしょう。さて、スプールを重くした結果どんな感じになったかというと圧倒的に扱いやすくなった。以前なら強すぎるブレーキ設定をするとルアーが安定せずバックラッシュをする状態だったものがなくなりました。ガンガン強くしても飛行姿勢はある程度安定して最後まで飛んでくれます。ブレーキが強い分飛距離は落ちるけどバックラッシュするような現象は発生せず。弱めに設定した場合キャスト中盤から後半にかけてラインが膨らむのでまだまだ初速に対して後半の利きが弱いという事が分かります。重くしたことで一体何が起こったかというと
こんな感じでスプールの回転が安定したんじゃないかと思われます。理想的な回転数変化に対してスプールが軽い場合、波打った回転数変化になると思われます。大げさに言うと初速の高速回転に対してガッツリブレーキが効きスプールが一瞬停止します。その後ルアーに引っ張られ再度回転を始めるがまたブレーキが効きすぎてスプールが一瞬停止。この繰り返しになりますね。スプールが重い場合、同じブレーキセッティングでもスプールが止まることはなくなだらかなブレーキになりルアーのバランスが崩れにくくなるといった感じです。なのでスプール重量を増やすことでこの波打った状態をなだらかにしたという感じになります。今回はナイロンをした巻きにしましたが感覚的にはもうちょっと重い方が扱いやすいと感じます。なのでナイロンの代わりにフロロをした巻きすることでPE100%のが約1.2倍程度になり総重量がナイロン100%に近似します。多分ですがナイロン基準でブレーキを調整しているのではないかと思っているので重量がナイロン同等になれば同じような挙動になるんじゃないかと考えています。
とりあえず今回の試投実験で分かったことはPEラインを遠心ブレーキで使うならPE100%ではなく必要な分だけPEにして残りをナイロン等重めのラインでかさ上げしたほうが扱いやすくなるという事。扱いやすくなることで結構ギリギリが攻められるようになる為結果的に飛距離が伸びました。以上のことからPEラインを使う場合スプールを重くするのは非常に有効な手段と言えます。ただし、7g以下の軽量ルアーが中心の場合BFSモデルかカルコン30のような特化型を使う事をお勧めします。特にカルコン30はPE1.5号フル巻き(100m)でも十分遠心がマイルドに機能します。
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