キャスト時のベイトリールの向き


キャストの時にリールはどの向きが最適なのか?色々な動画を見るとリールは縦でハンドルは下と説明されているけどそれが正しいのかは解らない。と言うのも構造的に考えると縦はあまり良くないのではと思う。


スプールを支えているベアリングの作りや取り付けを見ると同考えても横で使う方が良いと思う。


イメージしやすいように絵にしてみた。ベアリングは外側の外輪と内側の内輪、その間にボールが挟まっている。リールの取り付けを考えると外輪外側がハウジングに内輪内側がスプール軸に当たるようになっている。


キャスト時横の方が良いと言うのはこの形のベアリングの構造がラジアル荷重に強いからだ。


極端にかくとベアリングの内輪外輪ボールには遊びがあり矢印からの力がかかると絵の下側の隙間が小さくなり上側が大きくなる。極論だけど軸の半分から下で荷重を支えている。なので接地面的にも小さいしお碗状の外輪内側がオイルを溜めているので潤滑が効果的に働く。


一方、縦方向で投げた場合ベアリングがどうなるかと言うと



こうなっている。大袈裟に書いてあるが内輪と外輪がずれてボールを挟んでしまっている。ベアリングで言うとスラスト荷重が掛かる。ベアリングはスラスト荷重に対して強くない。そしてオイルを溜めておくお碗が縦になってしまっているので、柔いオイルだとオイルレスに近い状態になってしまう。と言うことはベアリングへのダメージも大きい。スプールなんかのベアリングは安いし、重量的にも大したことないから滅多に壊れないしダメになったら変えれば良い。
が、大事なのはそこではなく、オイルを溜めておけないと言うこと。脱脂したベアリングとオイル着けたベアリングでは無負荷なら脱脂した方が回りますよね。でもちょっとでも負荷を掛けるとたちまちオイル有りの方が回るんです。

と言うことはドライよりウェイト、縦より横の方がリールの構造上都合が良い訳になります。

ではなぜ縦を推奨しているか?ベアリングを早くダメにしてメンテに出してもらいたいから・・・と言う理由もしかしたら有るかも知れないですが、多分正解は『ショートロッドで片手投げ』を推奨してるからなのでは。竿の反発のみを使いキャストしている事、多分20g程度までを想定していて、飛距離が必要ない(たいした力が掛からない)事が理由でしょう。
20g程度を反発だけでスローに投げれば命中精度も高くなります。ベアリングへの負荷も軽く軌道緩やかです。
そしてロッドの反発を上手く使うため手首の自由が大切になるからですね。

さて、私のようなシャロー遠投でシーバスをやっている場合はどうでしょう?同じリールでもロッドが違います。ものにもよりますが20gもあれば80mの射程を確保できます。ロングロッドなので片手で投げる人は多分居ないと思います。岸際の近場に投げる場合は83LMLでも片手で振ることも有りますが、基本的にロッドの反発+腕の力で送り出し遠投します。そうなれば瞬間的にスプールには相当な力がかかりますね。当然ベアリングにも。その負荷をスラスト荷重でかけた場合多分ベアリングのゴロゴロが早く出るでしょう。キャスト時の瞬間スプール回転数は20000rpmなんてもんじゃないですね。ザックリ計算でキャストから着水までの平均回転数が、15000~20000rpmですかね。潤滑無しで扱う回転数じない事だけはわかったと思います。なので遠投するなら


横で使うのがベストだと思うんです。ターゲット、飛距離、重さで縦横使い分ければ良いと思います。

バス、ベイトフィネス、渓流は多分縦が多いんですかね?シングルバンドで飛距離より命中精度

シーバスやロックフィッシュ、ソルトユーザーは多分横かな?遠投して広く探る事が多いですからね。ボートでの穴うちや足元がポイントで遠投が不要なら縦でも横でも投げやすいように。

あぁ、横だとキャストでハンドルが回ってギアが壊れるってのは使い方が悪いんだと思います。キャスト時にクラッチから完全に指を離しているからちょっとした振動や慣性力でハンドルが動くんだと思います。しっかり押さえてればハンドルは回らないです。あとはメカニカル、これをしっかり調整してあげるのが良いです。縦投げでメカニカルを締めないで使うのはベアリングを叩いている様なものです。ベアリングはスラスト方向には弱いんです。なので0.2mmとか隙間を空けるってのはベアリングを叩いているのと同じになります。(保持方法にもよる)ってことは寿命を縮めている事になります。そしてラジアル負荷がかかってこそベアリングがいい仕事するのです。ダブルハンドでロングロッドの遠投なら横でメカニカルのガタツキはなしで使うのがいいんじゃないかなぁ。ジリオンSVTWは隙間を開けろと・・・う~ん、ダブルハンドでフルスイングには向かないかもしれないですね。ワンハンドで30m以内、軽めのルアーで釣るなら問題ないと思います。ボートシーバスとかなら輝きますね。40gのメタルジグで100m飛ばすとか・・・ダメですよ~。

4 件のコメント :

  1. 投げた後横にするのが一番飛ぶはずです。
    比べるとわかります。

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    1. コメントありがとうございます。ダブルハンドだとリリースは縦、その後は横と言う方が多いのはやはり飛距離を稼ぐためなんですね。

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    2. いわゆるバスプロの類いの人達もルアー放出後はリールを横にしていますね。
      しかし思いました。通常のルアーはそうですが、Giroさんのように数グラムの物を投げる場合はリール側だけを考えるより、ロッドのしなりの収束やガイドの関係も影響するのかも知れませんね。

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    3. そうですね。ロッドのしなりはかなり影響すると感じます。使う人の癖にもよりますが軽くなればなるほどシビアに感じます。重くなればなる程気にならなくなります

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