いまだに答えが出ないワイヤー選び。本当に何が最適なのかいまいちわからない。立ち上がりが早いとかいろいろあるけどデーターを出しているブログはほとんどないです。
そこで色々調べてみた。まずは熱の伝わり方、要は立ち上がりの良しあしに関係すると思われる。一般的には比熱が関係していると思う。というのも比熱が高い物質は温まりにくく冷めにくいという性質があるそこでカンタル、Ni80、SS316を比べてみることにする。
カンタルA1 0.46kJ/kgK
Ni80 0.46kJ/kgK
SS316 0.59kJ/kgK
こうしてみるとSS316は温まりにくく冷めにくいという事が分かります。次に熱の伝わりやすさ、熱伝導率を調べてみます。
カンタルA1 11w/mK
Ni80 17w/mK
SS316 16.7w/mK
数値が高いほうが熱の伝達が早いのでカンタルは意外と熱は伝わりにくい素材なんですね。ここまでで分かるのはNi80は温まりやすく熱を伝えやすいという事が分かります。という事は通電でいち早くコイル全体を加熱してくれるということですね。なので一般的にNi80は立ち上がりがいいという事が理解できます。
しかしですね、あくまでも同じ線径、同じ巻き数で、同じ電圧をかけた場合の話になってきますね。抵抗値を同じにした場合、ちょっと変わってきます。
28gのワイヤーで2.5mmのコイルを作った場合
カンタルA1 5巻き
Ni80 7巻き
SS316 10巻き
これだけ巻き数が変わってくるとかなり影響が出てくるはずです。熱力学とかそこまで詳しくないがこれだけ長さが変わってくるとNi80の優位性がどのように変わるのか?ざっくりですがカンタルの1.5倍の熱伝導のNi80は多分、長さ1.5倍になってもカンタルと変わらないのではないかと思われます。なので私の見解としてはカンタルとNi80は抵抗値が同じなら立ち上がりに差はないはずというのか結論です。という事は面積が稼げるNi80のほうがより多くのリキッドを蒸発させられるという事になります。なのでカンタルと同等の蒸発量で満足できるならMODの出力を下げて運用することができると考えられますね。出力が下げれればバッテリーの持ちも良くなるので予備を持ち歩かなくてもいいですね。よって通常のテクニカルMODならNi80がおすすめです。
一方SS316はというとカンタルと同じ抵抗値で組むと倍の長さが必要になります。伝導率はNi80並みに良いですが流石に倍の長さとなるとカンタル、Ni80よりも立ち上がりが1歩遅れます。また、SS316は温度で抵抗値が変化するという特性があります。これが厄介でW制御で運用した場合使えば使うほど抵抗値が上がっていきます。W数を一定にするために抵抗値が上がった分電圧も上昇。結果、過剰な加熱によりコットンが焦げやすくなる。しかし温度管理をすることで解決します。温度管理は抵抗値の変化を見て温度を算出して制御しているようです。この機能を使う事で限界出力でも焦げずにチェーンできるのです。一見ものすごく上級者向けのように感じますが見方を変えると非常に有効なワイヤーです。その使い道が、メカニカルMODでの運用。
SS316は温度で抵抗値が変わると伝えたと思います。実は非常にメカニカルMODと相性がいいのです。特に半メカの出力一定タイプ。常に一定の電圧で使用した場合、チェーンすることでコイルの温度が上がっていきます。常温から約200度近くまで上昇しますね。常温1Ωとした場合ざっくり200度で1.18Ωとなります。勘の良い人は気が付いたかと思いますが吸い始めは高出力で吸い終わり、チェーン時は低出力になります。具体的に言うと
3.7Vで1Ωと設定し、チェーン時の温度を200度とした場合
吸い始め 13.7W 3.7A
チェーン中 11.6W 3.14A
どうです?立ち上がりは素早く、チェーン時は焦げないように出力を落とす。なんの苦労無く実現できるという利便性。もちろん消費アンペアーが下がっているのでバッテリーの持ちも良くなります。なのでSS316はVV制御のMODやメカニカルMODに向くと考えています。
まとめると
- テクニカルのVW制御にはカンタル・Ni80。特にNi80は立ち上がりも良く表面積も稼げるためおすすめ
- SS316はメカニカルMODやVV制御におすすめ。
安いリキッドでニコチンさえ入ってればなんでもいいです・・・
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