もっと深く考える


基本的なメンテナンスが分かったところでさらに深く掘り下げていこうかと思う。とはいっても歯車の設計なんてもう20年以上前に学んだくらいであまり覚えていない(;´・ω・)
当時はあまり良い学生ではなかったのでまぁ良く寝てましたよ(笑) 今思えばもったいなかったなぁっと思うわけです。まさかその後歯車の計測に携わるとは当時は思いもしなかったし計測関係をやめてメンテナンスの仕事をするってことも考えてなかったです。とはいっても学生時代なんてそんなもんですよねぇ。さて、見て分かる通り歯車は動力を伝達するための機械部品で学術的に言うと機械要素といわれています。ここでかなり細かく学術的な話をしても眠くなるだけだと思うし見ている方も退屈だと思う。という事でものすごく大雑把に話していきましょう。
基本的に歯車は歯と歯がかみ合う事で動力を伝えます。このは数が少ないほど振動が大きく、歯数が多くなるほど振動が小さくなります。釣り人がこの話題をするってことは・・・そう、シマノのマイクロモジュールギアの事ですね。体感している方も多いと思いますがスムーズな巻き心地です。通常の歯車でも十分問題なくスムーズですがマイクロモジュールと比べると差が分かります。計測を仕事にしていたこともあり形状からこれはかなり振動が小さくなると想像できます。人間の手の感覚とは非常に高感度でわずかな違いも分かるので、このようなギアを開発したんじゃないかなぁって想像しています。しかし、ギアが細かくなるという事はそれだけギアの歯厚が薄くなるという事になります。薄くなれば当然強度が下がりますね。製品として出す以上、簡単に壊れるようなものは作っていないはずなのでマイクロモジュールでも強度がと持ててるという事だと思います。


マイクロモジュール搭載のリールは手持ちにないので細かな説明はできませんがほんとざっくり大雑把に言ってしまうと歯車は歯1つで全荷重を支えていると思ってもらうと良いです。特にピニオンとメインギアのように大きなサイズ違いの場合なんて特にその傾向になりますね。機械に比べたら大した負荷ではないですが接触面積が小さい為、意外と高負荷なのかもしれませんね。細かい計算とか省いて簡単に考えます。ドラグ性能4㎏だとしてガッチガチに締めてドラグが出た場合、かみ合っている部分に4㎏かかっていることになります。実際はモーメントだとかなんだとかあるんですが・・・まぁその辺端折ります。歯車のかみ合わせは面接触ではなく線接触になります。なので適当に計算するとだいたい真鍮ギア同士で40~50Mpaほどのちょからが掛かるみたいです。アルミ同士の場合は30~40くらいかな?あれ?こんなに負荷が掛かってるのかな?ちょっと私の計算が怪しいところですが、なかなかのせん断応力が掛かってるという事です。歯車自体厚みがないのでリールのギアは高負荷と考えても良いかもしれませんね。高負荷の場合、選択するグリスは硬めが基本になります。回転数はどうでしょう?多分どんなに頑張って回しても1秒に10回転なんって回せないと思うんです。せいぜい3~4周が良いところじゃないかと思います。4周として計算すると240rpmですね。メインギアの回転数が240rpmなら最近はやりのギア比10ならピニオンは2400rpmとなります。そこそこ早いですが低速な部類です。ピニオンが2400rpmで回るような状況というとまぁルアーを回収しているときか超高速でバイブを引いてる時くらいなので大した負荷の掛かってない状態がほとんどです。リールが仕事をするのは魚をかけてからです。低速で高負荷の場合硬めのグリスがマッチします。


硬めといってもちょう度2程度あれば問題ないです。材質とかちょう度とか分かりませんが


この当たりのメーカー純正グリスは多分ちょう度0~1程度じゃないかな?特にDG06は緩いです。見かけの硬さとちょう度は違うのではっきり言えませんが0くらい。ベイト用とされるDG04で1~2と言ったところです。このことから分かるようにリチウムグリスのちょう度2を薦める根拠が分かったと思います。リチウムグリスちょう度2を基準にして色々なグリスを試していけばいいです。例えば、アジング専用で使う場合、4㎏のドラグなんて不要ですよね。負荷自体も少ないので柔らかいグリスに変えてみるというのも有りです。逆にオフショアでジギングに使う。ドラグも6㎏、8㎏となればより硬いグリスを使うとかモリブデンなど極圧性に優れた添加剤の入ったグリスに変えるなど応用ができます。また、マイクロモジュールギアのようにギアのバックラッシュが少ないものは油膜が切れやすい。油膜保持のためにより硬いグリス、ちょう度3の物を塗ってより膜厚を厚く切れにくいものにする、なんて発想もできてくると思います。あとは感性ですね。同じ硬さでもここのグリスは滑らかだけど、あそこのグリスはざらついた感じがするとか各個人の感じる感性になってきます。この感性ってやつが厄介で人によって好き嫌いが分かれます。だからグリスやオイルのレビューって当てにならないんですよ。もちろん機械的な特性について考察されている場合は参考になるとは思いますが『めっちゃヌルヌル、カチッとした感触、巻きが軽い』など等感性によるレビューはなかなか判断するのがむつかしい。トライ&エラーで自分好みの物を見つけてください。そしてどっぷりはまっていきましょうよ!オイルやグリスの沼に(笑) 

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