オイルとベアリング

さて、ベアリングチューンとオイルチューンについて書いた。ベアリングは汎用品で十分だと書いたがオイルについてはなんとも言えない。だがベアリングの基本性能を調べると必要なオイルが見えてくる。


だいたいのスプール軸に採用されているミニチュアベアリング。これは内径3mm、外形10mmだったかな?リールで一番稼働するのがスプール関係のベアリング。これの基本性能が
  • 重量 1.85g
  • 許容回転数 60000rpm(潤滑油)
  • 静止ラジアル荷重 218N 
  • 動ラジアル荷重 630N
だいたいこんな感じ。ラジアル荷重って言うのが軸にたいして垂直方向にかかる力。ラインを引っ張ったりしたときにかかる力。この辺詳しく無いからよく分からないがざっくり20kg頑張れますよってことです。多分、そんだけの荷重を掛けることはまず無いと思う。ドラグが効くので大概は5~6kg、60N程度でしょう。
じゃキャスト時に一体どのくらいの回転するのか?これを調べるのが難しい。なのでアベレージを計算する。

  1. 飛距離は100mとする。
  2. スプール径は33mm
  3. 飛行時間2秒
計算が面倒なのでスプールは痩せない、変化しないこととする。飛行時間はよく分からないが2秒見とけば良いだろう。短い分には問題ないはず。ざっくりいくとスプール1周で10cm。100mで1000回転。飛行時間が2秒、500rpsとなる。rpmに直すと30000rpmとなる。
平均値なので実際の最高値はかなり高いかと思う。

ベアリングメーカーのオイル選定の参考を見ると使用温度0~60、普通荷重、回転数 15000~80000rpmでISO粘度グレード(VG)32、46となっている。基準が13mmストロークということだ。

実際の利用は極寒の時で0度、暑くても35度。余裕を見ても40度だと思う。ということは40度で13mm確保出来れば良いと言うことだ。そうなるとVG15以上有れば年間通して事足りる。仮に高負荷での利用の場合、メーカー参考がVG68と言うことだ。これも0~60度の範囲でのことなので40度までの使用とするとVG32でカバーできそうだ。と言うことはVG15~VG32で選んでおけば間違いない。

次に良く見掛ける極圧だが必要ないと思う。60N程度の負荷しか掛からないのだから。60N程度なら多分、どんなにオイルを選んでもクリアする。ついでに添加剤について考えてみる。汎用オイルにある『有機モリブデン』これは不要だ。有機モリブデンは高温になることで二硫化モリブデンになり焼き付きを防止する役目があるようだ。この高温はリールではまず発生しないと思う。どうやら金属がとけだす温度まであげないと変化しないようだ。次にダイヤモンドクラスターやフッ素、ボロンなどの添加剤、これらは個体潤滑剤として利用されているようだ。この辺になってくるとさっぱりわからんので想像でしかないが多分コロの役割をするのだろう。要は極小のボールを追加すると言った事だと思う。これらが役立つのは平面同士の潤滑だと思う。なのでベアリング潤滑にあまり必要じゃない気がする。

以上のことから

VG15~32程度、市販の汎用オイルで十分!

と言うことになる。ただし特殊な特性を持つオイルは別。特に気になるのが非ニュートン特性。理屈から考えると飛び散りが少なそうだ。と言うことは油切れが起きにくい。いつか使ってみたい。

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