前回、スプール径が大事という話をした。そこでちょっと出てきた『慣性力』というワード、結構色々なところで出てくる。この慣性力っていうのは簡単に言うと止まっている止まり続けようとする、動いているものは動き続けようとする性質、簡単に言うと現状の状態を維持しようとする性質です。ベイトフィネスでよく出てくるのが慣性力が小さいからなどと語られていることが多いですね。じゃこの慣性力が低くなれば扱いやすいか?っというと何とも言えない。そこはあとで話すとして、スプールを軽くするとどんなメリットがあるか?そこについて書いていきます。
前回もちょこっと書きましたが、私はこの重たいスプールで1.5gを投げれるほどの腕があります!!・・・ってのは嘘です。このスプール重量でも1.5gが投げれるように調整ができるノウハウがあるんです。多分このセッティングなら普通にベイトリールが扱えるレベルの方ならだれでも投げれますよ。このセッティングの肝はフルキャスト前提という事です。ショートキャストでちょい投げには向きません。この重たいスプールを回すためにある程度の力が必要になります。1.5gという軽量リグではフルキャストをしないと稼げないです。なのでフルキャストを前提とした設定なんです。だがいったん回ってしまえばなかなか止まりません。この止まらないことがまた大事なポイントです。スプールが止まらないから軽量リグの小さな力でも飛距離を稼ぐことができます。キャストの癖、ブレーキ力、リグの重量などかなり絶妙なバランスをとっているんです。無風で足場が良いのであれば実用レベルでしょうがちょっとでも風が吹く、足場が悪くなる等の悪条件があると途端に実用レベルじゃなくなる。一時期無理やりボートで使ってましたが風、足場、ロッドを振るスペースにナイトゲームといった条件ではもう釣りにならんです。じゃ軽量化したらどうか?
非常に軽い力で回るようになりました。そう、軽くすることでわずかな力で回るようになります。これが軽量化で語られている『低慣性』ってやつですよ。正確に慣性について語るのは重量分布、形状など解析して・・・非常に難しいです。ですが単純に考えてもらえばいいです。同じ長さ、同じ太さの棒、一つは中身びっしり詰まったもの。もう一つは中身スッカスカの物。どちらが簡単に動かせますか?スッカスカの物ですよね。回転中の場合など遠心力の働き等複雑になってきますが基本的に重ければ動きにくい、止まりにくい。軽ければ動きやすい、止まりやすいってことです。
軽量化をするってことは軽く動くようになるってことです。なので同じブレーキ、同じラインで組んだ場合軽量スプールの方が軽く振ってノーマルスプールと同じ回転数まで持っていけるってことです。軽く回るので不意な風などの場合でもスプールが追従してくれます。そう、これが軽量化のメリットです。軽量化をしたから飛距離が伸びる!っそんなのほんとわずかです。その恩恵が受けれるのは相当ノウハウと腕のある一部の人間だけですよ。真のメリットは今まで100%で投げてたものが8割、7割のキャストで届く。力を抜いたキャストなので命中精度も上がる、コントロール性が向上するってことが正解です。
飛距離が伸びたって感じている人も多いとは思いますが・・・・
軽量化して100%でキャストするとブレーキが非常にシビアになってきます。特に遠心は初速での失速、初速に合わせると中盤からのサミングの難しくなります。マグの場合、初速に合わせると中盤以降の飛距離が伸びない、一気に失速するようになります。飛距離を伸ばすにはブレーキをかなり弱めに設定してメチャメチャ気を使いながらキャストして初速サミング・・・というわけで軽量化は万能ではないし一般の方にはそこまで必要なカスタムではないという事です。
ノーマルでも3gが25m飛びますし、軽量スプールを追加するよスプールの糸の量、ブレーキ設定を見直してみると良いですよ~大事なのはバランス!
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