フィッシング・ギア メンテナンス 考察

グリス以外の選択

先日、オメガ77を購入した。早速塗って使ってみたがなかなか具合がいい。個人的に私の好きな感触だが、結構塗りにくい。時間かければ良いだけなんだが子育てしながらだとあまり時間がかけれない。ご飯の支度やおやつなどグリスの付いたままでは衛生的に良くないので短時間でメンテできないか模索した。その結果

これ、ワコーズのチェーンルブ。バイクに乗る方は良く使っていると思うけど、商品名の通りチェーンに吹き付けるオイルだ。オイルといってもチェーンルブ系なのでべた付くはず。半固形と言ったらいいのかな？そんな感じのオイルだ。さて、なんでこのオイルがギアに良いのか？ルブ系という事は非常に強い粘着性と飛び散りにくさ、そして風雨にさらされる状況下でも潤滑をしてくれるという機能性だ。チェーンとギアでは見た目の形状は違うが基本的に歯先に強烈な負荷が懸る。チェーンの摩擦は転がりと滑りの複合摩擦で非常に複雑だ。その点理想的なギアは線接触による転がり摩擦となる。理想的なギアの歯先はインボリュートになっていて常に転がり接点が移動していく。しかし現実は加工精度、組み付け、アソビなど理想からかけ離れた状況になる。そうなると基本的な転がり摩擦に加えアソビによる滑り、バックラッシュが発生する。という事はチェーン同じ複合摩擦と考えて問題なさそうだ。そうなるとチェーンルブという選択はありかもしれない。
実際にスピニングとベイトのメインギアに塗って使ってみた。グリスと違い塗り込みは非常に簡単。歯車全周に塗布するのではなく歯先の一部にごく少量吹き付けるだけ。そのあとゆっくりギアをかみ合わせれば自然と全体にオイルが回る。吹き付けた直後は緩いが1時間もすれば揮発成分が抜け非常に強い皮膜が形成される。巻き心地は滑らかで重くもなく軽くもない私好みの感じに仕上がった。ギアのアソビやバックラッシュによる振動もかなり押せえられていてリーリングに集中できる。

新品の時のような滑らかさに戻って個人的にかなりうれしいです。ルブの耐久性ですが、非常に高いと思われます。なんせ雨ざらしで1週間200キロ走行しても油膜が切れないくらい持ちが良いです。片道２０ｋｍ程度の通勤用途で使っていた為週１で給油と注油といった感じでしたね。晴天続きの場合ガラガラ言うまで３週間くらい頑張ってくれましたよ。リールに比べ数馬力と桁違いの負荷に耐えるルブなのでギアでも相当持つでしょう。巻き心地に異常が出るまでこのまま使ってみよう。