ベイトとスピニング


ここのところ潮の関係でスピニングを使用していました。やはり飛距離は釣果に直結する。探れる範囲が広がるというのはかなり大きなメリットだった。しかし、不便なこともやはりあった。キャストこそ何も気にしなくて投げれるものの着水後のライン処理がやりにくかった。無風なら問題ないのだけど逆風の強風時(そんな時に釣りに行き奴が・・・てのは無しで)どんなにサミングしても多少はらんでします。ベールを返してちゃんとラインローラーに乗せてやらないとならなかった。慣れてくれば着水する前にベールを返して強制的にローラーに乗せてしまうという事もできるんだけどね。それと感度の違いについてもかなり大きい。一般的には巻き取り量が多いほうが感度が良いと言われている。私の持っているリールの中でもスピニングが1番巻き取り量が多い。しかし、感度が良いとは感じなかった。むしろ感度が悪いって感じてしまった。多分『感度』のとらえ方が違うのだと思う。流れに対しての感度はショートハンドル、エキストラギアの組み合わせが最大になると思う。


ではルアーの動きに関してはどうでしょう。写真のようなカッター90の場合多分動きの感覚は分からないと思う。細かいローリングで水面を引き波を出しながら使うルアーという事でほぼほぼノー感じで視覚で感じ取るルアーだと思う。こういってルアーに関してはスピニングでもベイトでも関係ない。


じゃ、これはどうかな?エアーオグルSLMなんかはかなり動きが大きく巻いていても分かりやすい。ゲンマはこのサイズのわりには動きが小さく分かりにくい気がします。これをベイトとスピニングで巻き比べると非常に良く解ります。便宜上スピニングとベイトの巻き取り量を同じとしますが実際はベイトの方がかなり巻き取り量が下がります。まずはエアーオグルの場合、スピニングでは何となく泳いでいることが分かります。ゲンマはほぼノー感じです。これをベイトで巻くとエアーオグルはかなりブンブン動いているのを感じます。ゲンマに関してもちょっと左右に動いているなという事が確認できます。そう、ルアーの動きは圧倒的にベイトの方が感じられるのです。特にミノーなんかは良く解ります。ルアーが動くか動かないかくらいのスピードという事をよく聞きます。極端なことをいますがスピニングなら1秒に1回転でルアーが動く動かないが確認できたとします。ベイトだと2割減、3割減の巻き取り量で確認できてしまう。ベイトだからパーミングが手のひらでできて感度が良いとか陳腐なこと言ってるやつも多いがそんなことは全然関係ない。何ならロッドエンド握って巻いてみればいいです。このルアーの動きの違いは完全に構造の違いから来ます。


スピニングの場合、スプール固定でローターが回ることで巻き取ります。この構造こそがルアーからの振動を殺している原因です。ルアーの動きは大体横方向の振動になります。バイブレーションでもミノーでも、シンペンだってそうですね。中にはローリングアクションの物も有りますがあれは感知しにくいので今回は外します。ルアー移動することで発生した振動をラインを伝って伝達しています。横方向の動きなのでラインに伝わる振動も横方向で伝わります。この横方向の振動はガイドに触れるなどしてだんだん減衰して手元に伝わってきます。バイブレーションのリフト等が一番わかりやすいのではないでしょうか。ゆっくり竿先を上げて行ってもかなり振動が伝わってくると思います。この感じ方はベイトでもスピニングでも同じです。これはリールを巻いていないから同じように伝達されます。今度はそこから巻きだしてみてください。ベイトの場合巻きだしてもかなり振動を感じられると思います。ルアーから発生してラインを伝わりロットに到達します。ロッドにはガイドがありますがガイドとラインの接点は下向き、横方向の動きに対して強制されません。それがそのままリールまで到達するのでルアーの動きが感じやすい。
一方、スピニングではリフトしたときの動きよりも早い、もしくは同等のスピードで巻いているのに振動が小さく感じるはずです。横方向の振動に対して竿先周辺こそはラインとの接点は下向きで横の動きに制限がかけられていませんが、バット部位進むにつれガイド内をクルクル擦りなら回っていきます。ガイドリングの横に触れることで横方向の振動がどんどん減衰していきます。最後にラインローラーで吸収され手もとに伝わるころにはわずかな振動しか残らないというわけです。だからシンペンなんか引いているとノー感じになることが多いのです。それ以外にもローターの回転、スプールオシレーション等、重量のあるものが稼働するという事も振動を感じにくい原因でもあります。ですがこの感じにくい構造がメリットでもあります。例えばこれ


バイブレーションなどのルアー。巻き重りのする強振動のルアーを早巻きしたい時などです。ベイトでは正直振動が激しすぎて巻きがカクカクなってしまう、振動のせいで手への負担が半端ない事があります。そんなルアーでもスピニングでは振動が抑えられ手への負担が少ない為早巻きも問題ない。またローターの慣性も相まって巻き出しこそ重いものの一度回ってしまえば楽に回せます。という事でスピニングとベイト使い分けが何となく思い浮かぶと思います。メジャーな使い分けだと

スピニング 広大なシャロー バイブレーション等の早巻きを多用するデイゲーム
ベイト   ストラクチャー撃ち 

こんな感じでしょうか?水流の変化に関してはリールの選定、ハンドルの長さの選択でベイトでもスピニングでも同等の感覚は得られます。十分狙える範囲という話になりますが、ルアーの動きをどうとらえるかでベイトかスピニングかを選択すると良いかもしれません。そんなもんはどうでもいい!飛距離こそ正義だ!!という方は素直にスピニングを使ってください。私はナイトゲームでシンペンを多用することも多く射程範囲内で釣りが成立するという事からベイトを多用します。やっぱりノー感じでは巻き続けれないですから(笑) 




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