メンテナンスに欠かせないグリスですがどんなものを選んだらいいか分からない方も多いかと思う。自分もそうでしたが機械を整備する人間としてなんでこのグリスを使っているのか?似たようなグリスが複数本合って一元化できないかなど仕事で色々改善していた事も有りそれなりに知識と経験を得ることが出来た。現在は今まで買いあさってきたグリスからどれが良いか選定して残りを処分しているといった感じ。さて、リールのメンテナンスでも機械のメンテナンスでも一緒ですが機械に比べリールは圧倒的に軽負荷です。なのでそこまで気を使う必要など全くなく正直なところを言ってしまえば呉のグリスメイト、AZのグリス、ホムセンの蛇腹グリスで十分です。心配ならメーカーが出している純正グリスを使うのが一番安心でしょう。問題はガレージメーカーが出すグリスですね。成分もスペックも試験データーも何もかも非公開。圧倒的な滑らかさ、超耐水性とか色々謳っていますが根拠が何一つ提示されていないというのが実情です。一例で上げるとIOSのオイルですね。色々説明文なんかを読み込んでいくと多分PAOベースの非極圧なんじゃないかと思われます。グリスも同様にのオイルをベースに作っているんじゃないかと思います。カラー的にリチウムかアルミニウムコンプレックスかな?固形潤滑剤は入っていない。ここは比較的親切で色々なところに想像できる説明がちりばめられています。他のメーカーのものは全く何の情報もない体感だけを書いた紹介文。正直そんなもんは使えませんね・・・なので個人的に使っているのはIOSだけでそれ以外のガレージメーカーのグリスは使っていません。ではIOSが最高に良いか?というとそうではない。実際には工業機械に使用するグリスの方がコスト的にも性能的にも上でしょう。ただその良い物が探せないというのがネックですね。どんなグリスを使うのが良いのか?それすら分からない感じかな。その辺はJISを調べるとある程度理解できるかと思います。
JISから抜粋してきたグリスの種類分類表です。リールの構成部品でグリスを使う部分は主にベアリングとギアです。また、海川で使う物なので耐水性は欲しいところです。耐水性は一般的にナトリウム→カルシウム→リチウム→ウレア→アルミニウムコンプレックスといった感じで向上していきます。それ以外に耐荷重が高い方がまぁ良いかなぁ。とはいっても人間の手で回すものだから大した力がかからないのでなくても問題ない。とりあえずこの表を見てもらうと分かるように低負荷であればどんなグリスを使っても大丈夫。そこから耐水性を考えて選別していく。
まずは一般用グリースだが1種はカルシウムで2種がナトリウムと定義されている。次に転がり軸用だがこちらはグリスの種類で選別されていない。
自動車用シャシーグリースはカルシウムで一般的にホムセンで売られているシャシーグリスは多分これに当たると思う。これであれば耐水、荷重共に適となっている。個人的にはリールに使える最低ランクのグリースかな。ただかなり値段が安いので文字道理湯水のごとく使えるので使い勝手はいい。
自動車用ホイールベアリンググリースはホムセンでは見たことないですがおそらくリチウムグリスではないかと思われる。油脂メーカーを調べてみるとリチウムの物が良いかったです。
集中給油用グリースは1種、3種はカルシウム。2種は指定なし、4種は極圧剤が入っているものと定義されている。こちらのグリスは基本的にホムセンでは販売されていないのでモノタローやオレンジブックなど通販で入手となる。
高負荷用グリースは固形潤滑剤が入っているものとなる。一般的なものだとモリブデンが配合されているものが多い。
最後はギヤコンパウンド、原料がアスファルト
ざっとこんな感じ。ちなみにホムセンのリチウムグリスは転がり軸用だと思う。呉のグリスメイト、AZのリチウムグリスなど。モリブデングリースは高負荷用に分類される製品だと思われます。こんな感じで分類から見ていくと何となくモリブデングリースが良さそうに感じると思いますがこれは間違いです。基本的に鉄系基準で考えられているのでそれ以外の材質の場合固形潤滑剤は検討しないと失敗します。というのもリールのギアはアルミや真鍮を使っている事が多く鉄系よりも比較的柔い素材です。その為固形潤滑剤の硬度の方が高くなってしまい保護しているつもりが余計に摩耗してしまうといった事も起こりえます。なので固形潤滑剤入りは避けたほうが無難です。よってホムセングリスでメンテする場合はシャシーグリース、リチウム、ウレアの3種類です。コスト的にはシャシーを選びたいですが使用量がわずかな為そこまでコスパを気にする必要がない。それよりも耐水性を重視してリチウムかウレアを選ぶと良いです。というわけでホムセン行ってリチウム、ウレアを選んで買って使ってね。
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